ファイバーポスト

投稿者: | 2016年1月7日

平成28年1月より「GC ファイバーポスト」が保険適用になりました。

むし歯で歯が大きく失われた場合や、あるいはむし歯の治療上やむを得ず歯を大きく削った場合には、被せもの(クラウン)を作る前に、歯に土台(コア)を立てる必要があります。

従来の保険診療では、金属で製作したコア(メタルコア)や、金属の支柱(ポスト)を用い、樹脂で固めたコア(レジンコア)などによるコアの製作のみが認められていましたが、金属製のポストは歯に比べて非常に硬く、歯根に対して楔状に作用し、歯根破折の原因にもなっていました。(歯根破折が起こると、抜歯せざるを得ない場合が多く見られます)

今回新たに保険適用となったファイバーポストは、グラスファイバーを主成分とし、弾性係数(曲がりやすさ)が天然の歯根に近いことから、土台を立てた後の歯根破折の減少が期待できます。(ファイバーポストを使用することで決して歯根破折が起こらないというわけではありません。もし歯根破折が起こっても、抜歯に至るような致命的なダメージを与えにくいという意味です。)

ファイバーポストを使用したコアは、従来は自費診療として扱われていました。今回ファイバーポストが保険適用となりましたが、コアを保険で、被せものを自費診療で、という作り方は保険診療の規定上、認められておりません。被せものを自費のもの(オールセラミッククラウンや陶材焼付鋳造冠など)にする場合は、コアを製作する段階から自費診療となりますのでご注意ください。

当院でも、平成28年1月からの保険診療でのコア製作は、基本的にすべてファイバーポストを使用したレジンコアに切り替えております。ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。